若年性認知症の方が利用できる公的支援を分野別に解説

親の介護というと65歳以上の高齢者を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、40代や50代で認知症の症状が現れる「若年性認知症」もあります。働き盛りの年代で発症することが多いため、本人の仕事や家計、家族の暮らし方に大きな影響が及びやすいという特徴があります。

高齢者の認知症に比べて情報が届きにくく、「どんな支援を受けられるのか分からない」と感じる家族も少なくありません。

ここでは、若年性認知症の方やその家族が利用できる可能性のある公的な支援を、介護・医療・仕事・住まい・相談先という切り口で整理してご紹介します。

介護保険サービスを利用できる場合がある

若年性認知症は、40歳以上であれば介護保険制度の特定疾病に該当し、要介護認定を受けることで介護保険サービスの対象になることがあります。利用できる主なサービスには、次のようなものがあります。

  • 訪問介護(ホームヘルパー)による自宅での生活支援
  • デイサービスでの日中の活動やリハビリ
  • ショートステイによる短期間の宿泊支援
  • ケアマネジャーによるケアプランの作成

利用を始めるには、お住まいの市区町村で要介護認定の申請をする必要があります。

障害福祉サービスや医療費の助成も選択肢になる

症状の経過によっては、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳といった手帳の交付を受けられることがあります。手帳を取得すると、交通機関の運賃割引や税の控除、各種の福祉サービスなど、障害のある方向けの支援を受けやすくなります。

また、受診内容や自治体の制度によっては、医療費の一部が助成されることもあります。利用できる制度は地域によって異なるため、個別に確認してみましょう。

仕事を続けるための支援

診断を受けてすぐに仕事を辞めなければならないとは限りません。症状の程度や職場の理解によっては、働き方を調整しながら就労を続けられることもあります。ハローワークなどでは、障害者雇用枠の活用を含めた就労に関する相談に応じている窓口があります。収入が途絶える不安がある場合は、早めに相談し、選択肢を整理しておくと安心です。

家族の負担を軽くする相談先

本人だけでなく、支える家族にも疲れや孤立感が積み重なりやすいのが若年性認知症の特徴です。同じ立場の家族が情報や気持ちを分かち合える集まりや、自治体の相談窓口を利用することで、一人で抱え込まずに済みます。地域によっては、認知症のある人やその家族が気軽に立ち寄れる居場所が設けられていることもあります。

住まいに関する支援

自宅で安全に暮らし続けるために、手すりの設置や段差の解消といった住宅改修の費用を一部助成している自治体もあります。在宅での生活が難しくなってきた場合には、認知症のある方を対象としたグループホームなど、状態に合わせた住まいを検討することも一つの方法です。

相談から利用までの進め方

最初の一歩は、市区町村の福祉担当の窓口か、地域包括支援センターに話を持ちかけることです。どの制度が利用できるか、どのような手続きが必要かを教えてもらえます。介護保険を使う場合は要介護認定の申請を行い、認定を受けたあとにケアマネジャーとケアプランを作成していく流れになります。

まとめ 一人で抱え込まず早めの相談を

若年性認知症には、介護保険サービスのほか、障害福祉サービス、医療費の助成、就労支援、家族向けの相談窓口、住まいに関する支援など、さまざまな公的な制度が用意されています。利用できる内容は地域や本人の状態によって異なるため、早い段階で市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談し、必要な支援につなげていくことが大切です。