一人暮らしの親の防犯対策|家族で確認したい6つの視点

離れて暮らす親が一人で過ごしていると、防犯面や詐欺被害のことが気にかかる方は多いと思います。電話では「大丈夫」と話していても、実際の暮らしぶりまでは見えにくいものです。

この記事では、帰省や通話の機会にあわせて親子で一緒に見直したい防犯のポイントを、順を追ってお伝えします。

すべてを一度に整える必要はありません。気づいたところから、少しずつ進めていきましょう。

一人暮らしの高齢者が被害に遭いやすいといわれる背景

犯罪をたくらむ人は、入り込みやすい住まいや、言いくるめやすそうな相手を探しているといわれます。一人暮らしの高齢者には、次のような事情が重なりやすい傾向があります。

  • 自宅にいる時間が長く、訪問や電話を受ける機会が多い
  • 暮らしぶりが外から見えやすい
  • 相手の話を遮って断ることに抵抗を感じやすい
  • 現金を家に置いているケースがある
  • 物忘れや判断力の変化が出ている場合がある

とくに認知症の初期には、見知らぬ人を家に招き入れたり、不審な電話の内容を信じ込んだりしやすくなることがあります。ご本人を責めるのではなく、環境を整える視点で考えていきましょう。

玄関と戸締まりの習慣を見直す

最初に確認したいのは、日々の施錠の習慣です。「昼間は開けたままでも平気」「ご近所だから心配ない」という感覚が、思わぬ隙になることがあります。日中に侵入される例も少なくないとされています。

  • 外出のときに必ず鍵をかけているか
  • 家にいるときも施錠する習慣があるか
  • 補助錠など、鍵を増やす工夫ができているか
  • ドアチェーンを活用できているか

訪問者への対応ルールを決めておく

工事の説明、点検、役所の関係者などを名乗って訪れ、相手の警戒心を弱めようとするケースがあります。知らない相手には扉を開けない、という基本を、家族から繰り返し伝えておくと安心です。

  • 画面つきのインターホンに替え、顔を確認してから応対する
  • 訪ねてきた人のことは必ず家族に伝える、という約束をつくる
  • その場では契約や支払いをしないと決めておく

不審な電話への備えをする

特殊詐欺は、電話をきっかけに始まることが多いといわれます。警察や金融機関、役所の職員を名乗る例もあり、ご本人だけで見分けるのは簡単ではありません。

  • 在宅中でも留守番電話に切り替えておく
  • 登録のない番号からの着信には出ない
  • お金の話が出たら、その場で返事をせず家族へ連絡する
  • 電話口で口座や暗証番号などを話さない

不審な通話への対策機能を備えた電話機もあります。不安が大きいときは、取り入れを検討してみてもよいでしょう。

家の周りの見通しと郵便物を確かめる

家の周囲が暗かったり、庭木が茂って死角ができたりしていると、人目につきにくくなります。また、郵便物がたまった状態は、留守がちであることや一人暮らしであることを周囲に知らせてしまうことがあります。

  • 玄関まわりの明るさは十分か
  • 庭木や植え込みが伸びすぎていないか
  • ポストの中身が放置されていないか
  • 外灯がきちんと点くか

帰省のたびに目で見て確かめるだけでも、変化に気づきやすくなります。

現金や通帳の置き場所を整理する

自宅にまとまった現金を置いている方は、意外に多いようです。万一のときの被害を小さくするためにも、手元に置く金額は必要な範囲にとどめるのが望ましいでしょう。

  • 通帳、印鑑、カードを一か所にまとめて置いていないか
  • 保管場所を家族が把握しているか
  • 必要以上の現金を家に置いていないか

物忘れなどの変化にも目を向ける

防犯の話では見落とされがちですが、認知症のサインも大切な確認点です。次のような場面が増えてくると、被害に遭うリスクが高まりやすくなります。

  • 見知らぬ人を家に上げてしまう
  • 詐欺の電話を信じてしまう
  • 求められるままお金を渡してしまう
  • 鍵のかけ忘れが増える
  • 訪問販売で契約してしまう

物忘れが増えた、同じ話を繰り返す、お金の管理が難しくなってきたといった変化に気づいたら、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談してみてください。

自宅での防犯に限界を感じたときの選択肢

対策を重ねても、一人での暮らしに不安が残ることがあります。その場合、見守りや来訪者の管理、緊急時の対応がそなわった住まいへの転居を考えるご家族もいらっしゃいます。体制は施設によって異なります。

ケアマネジャーや地域包括支援センター、市区町村の介護保険窓口に相談しながら、ご本人の状態や希望に合う形を探してみましょう。

まとめ:何も起きていない今のうちに親子で話し合う

高齢のご家族を狙う手口は、形を変えながら続いているといわれます。大丈夫だろうと思っていても、気づかないところで身近に危険が迫っていることもあります。

まずは、この記事の項目を一つずつ確かめ、親子で話し合う時間をつくってみてください。大切なのは、問題が起きてからではなく、何事もない今のうちに備えを始めることです。