延命治療とはどのようなもの?主な処置の種類をわかりやすく解説
延命治療という言葉を耳にしても、具体的にどのような処置を指すのか、はっきりとイメージできる方は多くないかもしれません。「延命治療を望むかどうか」を考える場面は、本人や家族にとって重く、難しいテーマです。
延命治療とは、生命を維持することを目的として行われる医療処置や治療の総称です。病状や治療の目的に応じて、さまざまな種類の処置が選ばれます。
この記事では、延命治療として行われる代表的な処置の内容と、治療方針を考えるうえで知っておきたいポイントを整理します。
呼吸や循環を支える処置
人工呼吸器
自力での呼吸が難しくなった場合に用いられる処置です。機械が呼吸の働きを補助したり、代わりに担ったりします。重度の呼吸不全や急性の呼吸器感染症、肺の病気などの場面で選択されます。
心臓マッサージ(心肺蘇生)
心停止や呼吸停止が起こった際に、胸部を圧迫して血液の循環を助ける処置です。心臓病などを原因とする急変時に、生命を維持する目的で行われます。
栄養や老廃物の処理を支える処置
人工栄養(胃ろう・静脈栄養)
口から食事を摂ることが難しい場合には、胃に通したチューブから栄養を送る「胃ろう」や、静脈から直接栄養を補う「静脈栄養」が選ばれることがあります。消化器の病気や、重度の摂食困難がある場合に用いられる方法です。
透析
腎臓の働きが十分でない場合に、血液中の老廃物を人工的に取り除く治療です。血液透析や腹膜透析など方法はいくつかあり、慢性・急性の腎不全に対応するために行われます。
病気の進行に働きかける治療
薬物治療
がんに対する薬物治療や抗ウイルス薬など、病気の進行を遅らせることを目的とした薬による治療です。
手術
がんの切除や心臓の手術など、病気の原因そのものに働きかける治療です。根本的な原因を取り除くことで、生存期間を延ばすことを目的に行われます。
体温の管理(加温・冷却による治療)
体を温めたり冷やしたりして体温を調整する処置で、急性の病状管理の一環として用いられることがあります。
つらさをやわらげるための治療
鎮痛剤や抗炎症剤などを用いて、痛みや不快な症状を軽くする治療も行われます。これは病気の進行そのものを抑えるのではなく、生活の質を保つことを目的とした支持療法と呼ばれる考え方です。
延命治療をどう選択するか
延命治療を受けるかどうか、どこまで行うかは、本人の病状や意向、見込まれる経過などをふまえ、医療チームと本人、家族が十分に話し合ったうえで決められるものです。
延命治療には、どこまでの処置を望むかという倫理的な側面も伴います。元気なうちに本人の意向を言葉にしておくことが、いざというときの家族の判断を支える助けになります。希望する医療やケアを書面にまとめておく方法もあり、あらかじめ判断を任せたい人を決めておく考え方もあります。治療方針で迷ったときは、かかりつけ医や地域包括支援センター、ケアマネジャーに相談すると、状況に合わせた整理を手伝ってもらえます。
まとめ 延命治療への理解を深め、早めに話し合いを
延命治療には、呼吸や循環を支えるもの、栄養を補うもの、病気の進行に働きかけるもの、つらさをやわらげるものなど、さまざまな種類があります。どの処置も、本人の病状や治療の目的に応じて選ばれるものです。
延命治療についての考え方は人によって異なります。元気なうちから本人の意向を確認し、家族や医療チームと話し合っておくことで、いざというときに本人の思いに沿った選択をしやすくなります。