一人っ子の親の介護でお金が不安なときの制度と相談先

きょうだいがいない立場で親の介護が現実味を帯びてくると、「手続きも費用も自分ひとりで考えなければ」と不安が大きくなりがちです。そこに経済的なゆとりの問題が重なると、先のことを考えるだけで気持ちが重くなる方もいるでしょう。

ただ、介護にかかる費用の負担を和らげる公的な仕組みや、相談できる窓口はいくつか用意されています。この記事では、お金の面で心配があるときに知っておきたい制度と、動き出すときの順番を整理しました。

なお、制度の内容や利用条件は地域や世帯の状況によって異なる場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

ひとりで担うと負担が集中しやすい理由

分担できる相手が身近にいないと、手続きの調整、親の様子の確認、費用の見通しを立てる作業などが、一人の肩にのりやすくなります。仕事と並行している場合は、時間のやりくりも大きな課題です。

だからこそ、最初から自力で解決しようとせず、使える制度と窓口を早めに知っておくことが助けになります。

介護保険で費用の一部をまかなう

要介護認定を受けると、介護サービスを使うときの費用の一部を介護保険がまかなってくれます。利用者が支払う割合は所得などに応じて決まり、サービスによっては負担が軽くなる仕組みもあります。

まだ認定を受けていない場合は、市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターで、申請の流れを聞いてみましょう。

収入が限られているときの支援

  • 自己負担を軽くする措置:所得が低い方を対象に、負担額が抑えられることがあります。対象になるかどうかは、市区町村の窓口で確認できます。
  • 生活保護:暮らしを維持するための制度で、生活費や医療費、介護にかかる費用が支援の対象になります。

「自分は当てはまらないかもしれない」と決めつけず、まずは窓口で状況を話してみることが大切です。

支払いが重なったときの高額介護サービス費

一定の期間に支払った介護保険の自己負担が決められた額を超えた場合、超えた分があとから支給される制度があります。上限となる金額は世帯の状況によって変わるため、具体的な数字は窓口やケアマネジャーに確認してください。

働きながら続けるための職場の制度

仕事を持つ方には、介護のために一定期間休める介護休業制度があります。休業中は収入が減るため、生活費の見通しを立てたうえで検討する必要があります。社会保険料の扱いなど細かな点は、勤務先の担当部署や関係窓口で確かめておくと安心です。

また、勤務時間を柔軟にする仕組みや、介護のための休暇を利用できる職場もあります。介護のために仕事を辞める前に、まず勤務先でどんな選択肢があるのかを聞いてみてください。

公的サービスのほかに探せる選択肢

地域のNPOや民間事業者のなかには、比較的手ごろな料金でサービスを提供しているところもあるといわれています。お住まいの地域にどんな資源があるか、積極的に調べてみましょう。

介護保険の対象外となるサービスは費用が別にかかりますが、状況によっては暮らしを支える助けになります。料金や内容をよく比べたうえで、必要なものを選ぶことが大切です。

制度と相談先の早見表

仕組み ねらい 主な相談先
介護保険 サービス費用の一部をまかなう 市区町村の介護保険窓口
自己負担の軽減措置 所得が低い方の負担を抑える 市区町村の窓口
高額介護サービス費 自己負担が一定額を超えた分を支給 市区町村の窓口、ケアマネジャー
介護休業など 働きながら介護の時間を確保する 勤務先の担当部署
生活保護 最低限の暮らしを支える 市区町村の福祉窓口

将来に備えてできること

将来の介護費用に備えて、早めに貯蓄を進めたり、保険への加入を考えたりする方法があります。始めるのが早いほど、選べる方法は広がります。

身近に親戚がいる場合は、介護の進め方について早い段階から話し合っておくと、いざというときに動きやすくなります。

まとめ まずは地域の窓口に相談を

一人っ子で親の介護と向き合い、お金の心配もあると、行き詰まった気持ちになりやすいものです。けれども、介護保険をはじめ、負担を軽くする仕組みは複数あります。まずは地域の社会福祉協議会や市区町村の窓口、地域包括支援センターに状況を伝えてみてください。使える制度やサービスについて、丁寧に説明してもらえます。