老人ホームの居室にカメラを設置したいときの確認点
老人ホームに入居している親の様子が気になり、「居室にカメラを置いて見守りたい」と考えるご家族は少なくありません。転倒や体調の急変にすぐ気づけるようにしたい、離れて暮らしているぶん少しでも安心したい、という思いからの相談です。
ただし、居室は本人の生活の場であり、施設としても管理する建物の一部です。家庭に見守りカメラを置くときのように、家族だけの判断で自由に設置できるとは限りません。
ここでは、老人ホームの居室にカメラを設置したいと考えたときに、事前に確認し、整理しておきたいポイントをまとめます。
まず施設のルールを確認する
老人ホームや介護施設の多くは、居室へのカメラ設置について独自の方針を定めています。設置そのものを認めていない施設もあれば、一定の条件のもとで認めている施設もあります。
まずは施設の管理者や相談員に、カメラの設置が可能かどうか、可能な場合はどのような手続きが必要かを確認しましょう。相部屋の場合は、同室の方のプライバシーへの配慮から、設置がより難しくなることもあります。
本人の同意とプライバシーへの配慮
居室は本人の生活の場であり、着替えや体を拭くなど、人に見られたくない場面もある空間です。見守りを目的とした設置であっても、本人の同意を得ずに進めることは避けたいところです。
可能であれば本人や家族、施設の三者で話し合い、何のためにカメラを設置するのか、どの範囲を映すのか、映像を誰がどのように確認するのかをあらかじめ共有しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。本人の認知機能の状態などにより本人からの同意が難しい場合は、施設とよく相談しながら進める必要があります。
カメラを選ぶときに考えたいこと
見守り用のカメラには、スマートフォンなどから遠隔で映像を確認できるものや、動きを感知したときだけ知らせてくれるものなど、さまざまな種類があります。常時録画し続けるタイプもあれば、必要なときだけ確認できるタイプもあります。
どこまで見守りが必要なのかを本人や家族で話し合い、プライバシーに配慮した設置場所や撮影範囲にすることも大切です。四六時中映し続けることが、必ずしも本人の安心につながるとは限りません。
映像の使い方と施設との情報共有
カメラを設置した場合は、撮影した映像をどのように保存し、どのくらいの期間残すのか、誰が見られるようにするのかをあらかじめ決めておきましょう。また、設置した後も施設任せ・家族任せにせず、気になることがあれば施設と情報を共有し、必要に応じて対応を相談できる関係を保っておくことが大切です。
カメラ以外の見守りという選択肢もある
施設の方針でカメラの設置が難しい場合もあります。その場合は、人の動きを感知するセンサーや、生活リズムの変化を知らせてくれる見守り機器など、カメラ以外の方法を取り入れている施設もあります。これらは映像を直接見るわけではないため、本人のプライバシーを保ちながら異変に気づきやすくするための手段として取り入れられています。
どのような見守りの方法が利用できるかは施設によって異なるため、心配な点を率直に伝えたうえで、施設と一緒に無理のない方法を探っていくとよいでしょう。
まとめ:施設と本人の意向を尊重しながら進める
老人ホームの居室にカメラを設置したいと考えたときは、まず施設のルールを確認し、本人の同意やプライバシーへの配慮を忘れないことが大切です。設置の目的や映像の扱い方をあらかじめ施設と共有しておくことで、お互いに安心できる形をつくりやすくなります。
カメラの設置が難しい場合でも、センサーなど他の見守りの手段が用意されている施設もあります。不安なことがあれば一人で抱え込まず、施設の相談員やケアマネジャーに相談しながら、本人にとって負担の少ない見守りの形を一緒に考えていきましょう。