毎日10分の足腰習慣で歩く力を保つ方法
いつまでも自分の足で出かけたい、できれば住み慣れた家で暮らし続けたい。そう願う方は多く、親御さんの様子を見守るご家族にとっても、歩く力をどう保つかは気になるテーマです。
歩く力というと、ジムに通うような本格的な運動を思い浮かべるかもしれません。けれども、負担の小さな動きを毎日少しずつ重ねるだけでも、生活の中で役立つ力の維持につながることが期待されています。
この記事では、椅子と壁があれば始められる、合計10分ほどの流れをご紹介します。親御さんと一緒に読みながら、無理のない形で取り入れる参考にしてください。
短い時間だからこそ続けやすい
運動は、一度に長く頑張るよりも、小さな負担のものを繰り返すほうが暮らしに根づきやすいといわれています。10分ほどであれば、朝のお茶の前や歯みがきのあとなど、毎日の流れの中に組み込みやすくなります。
大切なのは、回数を競うことではなく、ひとつひとつの動きを丁寧に行うことです。筋力やバランス感覚を保つ助けになると期待されていますが、感じ方には個人差があります。ほかの人と比べず、ご自身のペースで進めましょう。
椅子ひとつでできる10分の流れ
ここでは、足首、立ち座り、片足立ちの3つを組み合わせた流れをご紹介します。安定した椅子を用意し、足元には滑りにくい靴や靴下を選んでください。
足首をほぐす(2分ほど)
椅子に座ったまま行います。足首は歩くときの土台になる部分なので、最初にやさしく動かして体を慣らしておきます。
- 片足ずつ、つま先を上げたり下げたりする動きをゆっくり繰り返す
- 足首を内向き、外向きと回す動きを、それぞれ10回ずつ行う
立ち上がって座る(3分ほど)
椅子から安全に立ち座りできることは、トイレや食卓など、日常のあらゆる場面で必要になる動作です。
- 椅子に腰かけ、ゆっくり立ち上がってからゆっくり座る動きを10回ほど繰り返す
- 最初は手で支えながらでも構いません。慣れてきたら、手を使わない形に挑戦してみる
片足立ち(4分ほど)
バランスを保つ力に働きかける、手軽な方法です。ふらつきが心配なときは、椅子の背や壁にしっかりつかまって行いましょう。
- 片足で立ち、30秒ほど静かに姿勢を保つ。左右それぞれ行う
- 余裕が出てきたら、同じ動きをもう1セット加える
続けやすくするための3つの工夫
- 行う時間を決める。朝食後やお茶の前など、すでにある習慣と結びつけると忘れにくくなります
- 痛みを感じたときは、その日は休みます。不安が残る場合は医師に相談してください
- 家族や友人と一緒に始める。声をかけ合うことで、続ける励みになります
始める前に確認したいこと
体に持病がある場合や、最近体調の変化があった場合は、運動の内容によって負担が大きくなることもあります。次のような心当たりがあるときは、始める前にかかりつけ医へ相談しておくと安心です。
- 心臓の病気や不整脈がある
- 近ごろ、めまいや意識が遠のく感覚があった
- 骨折や関節の手術を受けて間もない
暮らしの中で歩く機会を増やす
10分の習慣に加えて、日常の動きの中で歩く場面を少しずつ増やすことも大切です。特別な準備はいりません。
- 少し離れたゴミ箱やポストまで、あえて歩いて行く
- 買い物のときに、無理のない範囲で遠回りをする
- 家の中で、廊下を往復するなど歩くコースを決めておく
よくある疑問
毎日できない日があっても大丈夫ですか
完璧を目指す必要はありません。体調がすぐれない日や予定が詰まった日があって当然です。できる日に続けることを目標にすると、気持ちの負担も軽くなります。
どれくらいで変化を感じられますか
感じ方や変化の現れ方は、年齢や体の状態によって大きく異なります。すぐに結果を求めず、長い目で取り組んでみてください。気になる点があれば、かかりつけ医やケアマネジャーに尋ねることもできます。
まとめ 小さな積み重ねが歩く暮らしを支えます
歩く力を保つ近道は、まとまった時間を確保することよりも、日々の小さな動きを欠かさないことにあります。足首をほぐし、立ち座りを繰り返し、片足で立つ。この流れなら、椅子と壁だけで始められます。
転倒の予防や歩行の維持にもつながることが期待されます。まずは明日の朝、椅子に座って足首を回すところから始めてみませんか。親御さんの足腰のことで不安があるときは、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみてください。