高齢者のタンパク質不足を防ぐには?食品選びと続けるコツ
年齢を重ねるにつれて、食事の量が減ったり、肉や魚をあまり食べなくなったりする高齢者は少なくありません。噛む力や飲み込む力の変化、食欲の低下などが背景にあることもあります。
こうした変化が続くと気になるのが、タンパク質の不足です。筋肉をはじめとする体の組織を保つのに欠かせない栄養素で、日々の食事から意識的にとりたいものだといわれています。
この記事では、タンパク質が不足しやすくなる背景と、無理なく摂り続けるための工夫について紹介します。
食事量が減っても栄養まで減らさない
年を重ねると、食べる量が全体に減ったり、肉や魚から遠ざかったりしがちです。ただし、量が減ったことと、必要な栄養が少なくて済むことは別の話です。ご飯やパンなどの主食だけで食事を済ませてしまう日が続かないよう、意識しておくことが一つのポイントです。
タンパク質を含む食品の例
食卓には、たとえば次のような食品を組み合わせて並べてみてください。
- 肉類(鶏肉・豚肉・牛肉など)
- 魚(鮭・さば・いわしなど)
- 卵(卵焼き・ゆで卵・茶碗蒸しなど)
- 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳など)
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)
肉だけにこだわる必要はなく、魚や卵、大豆製品、乳製品など、食べやすいものを組み合わせることで、無理なくタンパク質を補いやすくなります。
無理なく続けるための工夫
毎食に少しずつ取り入れる
朝に卵やヨーグルト、昼に豆腐や魚、夜に肉か魚という具合に、一度に多く食べようとせず、三度の食事へ分けて加えていくと長続きします。
食欲がないときは食べやすいものを選ぶ
食欲があまりないときは、豆腐や納豆、卵、ヨーグルトなど、量が少なくても食べやすい食品を活用するとよいでしょう。体重の減少が続くようであれば、早めに医療機関へ相談することも大切です。
主食だけで終わらせない工夫をする
おにぎりのそばにゆで卵を置く、うどんへ肉や卵を足すなど、小さな一品を添える意識を持つだけで、主食に偏りがちな献立が変わっていきます。
噛む力や飲み込みに不安があるとき
固いものが食べにくい、飲み込みづらいといった悩みがあると、肉や魚を避けるようになり、タンパク質が足りなくなりがちです。そうしたときは、柔らかく煮る、細かく刻む、とろみをつけるなど、調理法を変えるだけで食べやすくなることがあります。茶碗蒸しや豆腐、ヨーグルトのように、もともと口当たりのやさしい食品を活用する方法もあります。食事づくりが大変な日は、調理済みの総菜や冷凍食品を上手に使うのも一つの手です。噛みにくさの原因が歯や入れ歯にある場合は歯科医に、食事づくりそのものが負担なら、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。
食事制限がある場合は医師に相談を
腎臓病などでタンパク質の摂取量に制限がある場合は、自己判断で量を増やさず、かかりつけ医や管理栄養士に相談しながら進めることが大切です。必要なタンパク質の量は、年齢や体格、活動量、健康状態によっても異なります。
まとめ 肉だけに頼らず少しずつ取り入れる
高齢者のタンパク質不足を防ぐには、肉だけに頼る必要はありません。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品を組み合わせて、毎日の食卓へ少量ずつ加えていくのが、続けるうえでの近道です。
「何を食べるか」と同じくらい、「おいしく、楽しく食べられること」も大切にしながら、無理のない範囲で食生活を見直してみてください。気になる症状や体重の変化がある場合は、早めにかかりつけ医へ相談しましょう。